君と、優しくて愛しい日々を。


「未海は遠距離で想い続けるの、もう慣れっこかもしんないけど。俺はやっぱ、まだ慣れないっつーか」

ぐす、と鼻をすする。

ぼろぼろあふれる涙を、袖で拭う。

歪んだ視界には、冬の景色と少しだけ寂しそうな表情をする、彼の姿があった。


「…この前の電話で、『会いたいって思ってんのはお前だけじゃない』って、俺は言ったけど」


すとん、と、ナツは公園のベンチに座る。

座ることもせずに、手を繋いだまま彼の前に立って泣く私を、彼はまっすぐに見つめた。



「…俺のほうが、お前に会いたいって思ってるかも、しんない」



驚いて目を見開くと、ナツは顔を赤くしていた。

「………」

「……なんだよ」

「うそ」

「…ほんと」

びっくりして、涙止まったんですけど。

乾燥した空気に、涙が乾かされていく。

ナツがこんなこと言うなんて。

心臓が、ものすごく痛い。

心拍数、やばい。

繋いだ手が、熱い。



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