君と、優しくて愛しい日々を。
また何も言えなくなった私に、追い打ちをかけるようにナツは言った。
「……電話でも、言ったけど。俺は、今のまんまじゃ足んないんだよ。できれば毎日でも会いたいし、話したいし、手ぇ繋ぎたい」
まるで拗ねたように、彼はむっと唇を尖らせる。
滅多に赤くなったりしないナツが、珍しく真っ赤になってて。
「お前にとっては、会えないのが普通なのかもしんないけどさ。悪いけど俺は違うから。電話だけで満足とか、してんじゃねーよ」
やばい、特に頬がやばい。
口角上がりそうになる。嬉しすぎて、心臓が痛いけどそれどころじゃない。
既ににやけそうになってるのがばれてるのか、ナツは私の顔を見てさらにムッとする。
それを見て、私は思わず笑ってしまった。
…ねえ、ナツ。
実はすっごく、私のこと好きでしょう?
「…笑ってんなよ、おい」
「ふふー。私もね、毎日ナツに会いたいよ。授業中とか、ナツのこと考えたりしてるよ」
「………」
にやけが止まらない私に、ナツは悔しそうにムッとして、そしてひとつため息をついた。