君と、優しくて愛しい日々を。
眠り姫はひだまりで 【君のヤキモチ】
「なぁ。あの水野純と付き合ってるって、マジ?」
二年生に進級して、一ヶ月が経った。
ちらほらと夏服に衣替えする生徒も出始めたこの季節。
私、松本色葉は、このような質問を度々されるようになりました。
「う…うん。本当だよ」
訊いてきたのは、同じクラスの男子達。
三限目前の休憩時間に、教科書を借りにきたミオと話していた私は、ちょっとびっくりしながら答えた。
すると、男子達は顔を見合わせて、「いつから?」と眉を寄せて訊いてくる。
「え、えっと…去年の、一月、くらい?」
だっけ?とミオに向かって首を傾げる。
たぶんそんくらい、とミオが答えると、男子達は「え、けっこー早っ」と言った。
そして、こそこそと私達に聞こえないくらいの声で話をする。
「あの…それが、どうしたの?」
苦笑いしながら訊くと、男子達はびくりとして、気まずそうに「いやぁ、な、なんかさ」と言った。