Happy Helloween
お姉さんは、「じゃあ私も、」と言って。
可笑しそうにその魅惑的な目を細めた。
「trick or treat.」
テレビで見る外国人の人みたいに聞きなれない発音でそう言った。
「とりーと…」
イタズラは嫌だ。だけど、持ってるお菓子は今貰ったこれしかない。
「む…」と口をとがらせていれば
「…1つでいいよ?」
優しく、小さな声でそう言ってくれた。
「…はい、どーぞ。」
「ありがとう。」
シーツの上からわしわしと頭を撫でられて、なんだかとっても嬉しい気持ちになった。