Happy Helloween
「もうチョー可愛い…。それってシーツ?」
「あ、はい。」
明るかったら金色にも見えるだろう、明るい茶髪のお姉さんはちょっと興奮気味だ。
とはいえその髪の毛の間からは悪魔の角みたいな三角の角が出ていて
真っ赤な口紅に目の下は黒く塗られているという
お化けも真っ青のクオリティを誇っている。
こんな人に目の前で奇声を上げられた私の気持ちがお分かりいただけるであろうか。
それはもう、本当に驚いた。
ついでに、奥から出てきた軽穂とかいう男の人は
かなり身長が高くて、真っ黒なマントを羽織っていて、
化粧でもしているのか白に近い顔色に、真っ赤な唇に、極めつけは唇の間から覗く牙だ。
「(ドラキュラ…)」
ドラキュラさんの頭には、お姉さんとおそろいの角が付いている。
「ほら、菓子やるんだろ?とってくれば。」
「あ!そうだった!ちょっと待っててね!」
パタパタとお姉さんは部屋の中に戻っていった。
ドラキュラさんは、見た目に反してとても優しい声で話す人だ。