ロングバケーション
「…あの、宮原さん。

この企画の主って・・・・」

安藤さんが恐る恐る訪ねる。


「お察しの通り、この企画は、御堂専務が自ら考案した企画です」

宮原の言葉に、4人同時の驚く。

だって、専務なんて、企画などの仕事はしないものだと思っていたからだ。


しかも、専務が企画したとなると、

絶対成功させないといけないオーラが周りに色めき立つ。

完全に、私たちにとっては重荷以外の何物でもなかった。



「それでは、説明に入りたいのですが、よろしいでしょうか?」

驚き焦りだす私たちをよそに、宮原は、

淡々と説明をこなし、私たちを納得させ、

会議室を出ていった。


・・・その瞬間、私達は一斉に、デスクに突っ伏した。


「なんてめんどくさい仕事なのよ」

鈴が愚痴る。


「オレ、添乗員なんて無理かも・・・

もし何か失敗でもしたら、会社クビになるかも」

いつも強気の高志が、弱音を吐いた。
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