ロングバケーション
私の言葉に、当然ながら驚く皆。

「ちょ、ちょっと、佐伯さん、一体どうしたんですか?」

私を何とか落ち着かせようとする安藤さん。


「美和、失恋で頭イカれたんじゃない?」

鈴が私に言う。


「お前、そんな事言って、この仕事放棄するつもりだろ」

高志が私を非難した。



「この3年、私、仕事一筋で頑張りましたよね、安藤さん?」

「そうだね、みんなが休んでる時も、佐伯さんは凄く頑張ってたよ」


「鈴、アンタの仕事、私がどれだけ肩代わりしたかわかってる?」

「…ぅ」


「高志、アンタの尻拭い、誰がしたと思ってんの?」

「それは・・・」

皆、私には逆らえない。

だって、それほど仕事に人生つぎ込んだんだから。

別に、見返りが欲しかったわけじゃない。

皆が笑顔でいるなら、私も嬉しいから。


・・・でも今回だけは、私の我が儘を通したかった。

今までしてきたことが、なんだかバカらしくなって…

自分の為に、時間を使いたくなった。

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