ロングバケーション
2.ロングバケーション始動
「・・・お、重い」

洗濯のサービスがあるホテルらしいが、

一応女だ。

下着や服は、ある程度持って行きたい。

そう思った私は、詰め込めるだけの服を詰め込み、

今空港に来ている。

この旅行に、参加が決まっているのは、

男20名・女18名。

…なんだかこうやって見ていると、まるでお見合い旅行のようだ。


そう思ったのは私だけだろうか?

「…貴女も、ロングバケーションの参加者?」

「…エ?・・・ぁ、そうです。…貴女も?」

「ええ、そうなの。私、植木樹里29歳、宜しくね」

そう言って微笑んだ樹里。

なんて綺麗な女性なんだろう。

とてもおしとやかで、清楚な感じの女性だ。

・・・ん?29歳?あ、なんだか親近感。


「私、佐伯美和って言います…奇遇ですね、私も同じ年なんですよ」

「エ?!そうなの?!それじゃあ、尚更気が合いそう」

歳のおかげか、見るからに真逆な私達だったけど、

凄く仲良くなってしまった。

・・・こうやって、知り合いになれるのも、1人旅の醍醐味かな。

そう思うと、少しだけ胸が躍った。
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