ロングバケーション
樹里さんと楽しく飲んでたはずなのに、

何でこんな事に・・・

どんどん進んでいく行為の中、私は何時しか、

抵抗する事も無くなっていた。


…ガチャ。


抵抗することは無くなっても、涙だけは止まらない。

歪んだままの景色の中で、部屋のドアが開く音がして、

視線だけを移した。


「美和!」

「・・・しん・・い、ち」

はだけた服も直す気力はなく、私はただ、

泣きながら、慎一の名を呼んだ。


「ふざけやがって」

「・・・・」

一発殴られた颯太は、ベッドの下に落ちた。

私の服を直しつつ、慎一は抱き起した。


「立てるか?」

・・・その言葉に、震えながら、小さく頷いた。

おぼつかない足取りの私を、慎一はしっかり肩を抱き、

私達の部屋に帰っていく。
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