ロングバケーション
●失恋は立ち直れない?!
立ち直れなかった。
目はウサギのように赤く、腫れている。
何とか化粧を施してごまかしはしたけど。
…利き手の右手も、相変わらず腫れていて。
湿布を貼って、軽く包帯を巻いて、着替えを済ませた私は、
コーヒーだけ飲んで、重い足取りで出社した。
「…どうしたの、その顔?」
同僚の鈴が、眉間にしわを寄せ、私の顔をマジマジと見つめている。
…化粧で隠せないほど、腫れているのか。
私は思わず深い溜息をついた。
「しかも、その手だって、包帯なんかしちゃって」
「ちょっと、彼氏ともめた…て言うか、別れた」
「・・・はぁ?!」
驚く鈴をしり目に、私は自分の持ち場に座った。
「お前、ひっでー顔。その顔で、受け付けとか止めろよ?」
「高志(たかし)そんなに酷いかなぁ・・・」
そう言って、営業兼ツアーの添乗員もしてる同僚。
宮崎高志(28)。
私は高志にニコッと笑って見せた。
「…気持ち悪いよ。今日は、鈴に受け付け任せて、
裏方やってろ、いいですよね安藤さん」
目はウサギのように赤く、腫れている。
何とか化粧を施してごまかしはしたけど。
…利き手の右手も、相変わらず腫れていて。
湿布を貼って、軽く包帯を巻いて、着替えを済ませた私は、
コーヒーだけ飲んで、重い足取りで出社した。
「…どうしたの、その顔?」
同僚の鈴が、眉間にしわを寄せ、私の顔をマジマジと見つめている。
…化粧で隠せないほど、腫れているのか。
私は思わず深い溜息をついた。
「しかも、その手だって、包帯なんかしちゃって」
「ちょっと、彼氏ともめた…て言うか、別れた」
「・・・はぁ?!」
驚く鈴をしり目に、私は自分の持ち場に座った。
「お前、ひっでー顔。その顔で、受け付けとか止めろよ?」
「高志(たかし)そんなに酷いかなぁ・・・」
そう言って、営業兼ツアーの添乗員もしてる同僚。
宮崎高志(28)。
私は高志にニコッと笑って見せた。
「…気持ち悪いよ。今日は、鈴に受け付け任せて、
裏方やってろ、いいですよね安藤さん」