あの日の約束。

少女。

「あ、あのっ…」
「!?」

声をかけられてる気がして眼が醒めた。
眼の前には見覚えのない女が此方を覗いていた。

「……誰お前。」
「わ、私ですか…? 私の名前は由比ヶ浜 那津って云います…ぇと…同室のものです…」

随分とキョドってやがるな。

「つか此処どこだよ。」
「病院です…」
「は?」
「ひぃっ…」

あぁ、そうだ、犬庇ったのか。
何か頭いてぇし…
頭に包帯が巻いてあるから、恐らく頭を打ったのだろう。

「で、何の用だ…って何で泣いてるんだよ!?」

さっきまで立っていたのに床に座り込んでボロボロと涙を流している。
何も云わずに泣き続けている。
女にはあまり面識がないため、こう云うときにどう云う対応をしていいのか全くわからない。

「ひっく…こ、こわぃ……」

そう云われて初めて気づいた。
さっきのでビビってしまったのだろう。
しかもこんな見た目だもんな、恐がるハズだ。

「えーと… 那津って云ったか? その、悪かったな…」
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