トナカイくんとハッピークリスマス!
気分は最高にブルー。
街を彩るクリスマスの装飾さえにも悪意を覚え始める。
隣のトナカイの動きは相変わらずぎこちないし。
動きの悪いからくり人形ですかってくらい。
もう陽も沈んだし、さらに冷え込んできたし。
…最悪…。
そう、ぶつぶつ悪態をついてる時だった。
「トナカイさーん、風船ちょうだーい!」
そんな天使のような声がすぐ隣から聞こえてきたんだ。
振り向くと、
ぴょんぴょんと幼稚園児ぐらいの女の子が風船を欲しがるようにトナカイの足元で飛び跳ねてて。
か、可愛い…
無邪気なその姿に自分でも分かるぐらいに口元がへにゃりと緩む。
風船をもらって頭をナデナデしてもらってニコニコの女の子。