トナカイくんとハッピークリスマス!
「……」
頭ぐらい取ればいいのに…
あの格好じゃ休むに休めないでしょ。
コーヒーだって…
「…ぷぷっ」
あたしはあの格好のまま休んでいたトナカイくんの可笑しな画に、口元を押さえて小さく噴出す。
あたしに気を遣って着替えずに待っててくれたのかな。
それとも自分の着替えを見られるのが嫌だったからとか?
どっちにしても、今のあたしの心はほっこり温かくて、
この時からかな。そんなトナカイくんに興味を持ち始めたのは。
着替えを終えてカーテンを引くと更衣室にはもうトナカイくんの姿はなくて。
テーブルの上にはトナカイの着ぐるみと、トナカイの頭と
『声もかけずに帰ることをお許しください。
明日もまた来ます。
トナカイより』
丁寧な字で書かれた置手紙が残されていた。