トナカイくんとハッピークリスマス!
校舎の角を曲がったところで膝に手をつき立ち止まる。
「ハァ…、ハァ…」
どうしよ。逃げてきちゃった。
絶対あたしだって気付かれたよね…
「ハァ…、ハァ…」
……でも、
峰岸くん、バスケ上手かった。
それに、あの姿。
メガネを外して前髪をかき上げた峰岸くん。
教室で見てきた彼とは雰囲気もオーラもまったく違くて、バスケしてた姿がかっこよくて…
あたし今、すごくドキドキしてる。
彼をもっと知りたいと思ってる。
それにしても…、
「…教室とギャップありすぎ」
違いすぎる姿に思わず笑みがこぼれる。
そのあと教室に戻ってきた峰岸くんは“今までの峰岸くん”に戻ってて、
残念な気持ちと、ちょっと安堵してる2つの自分がいた。