トナカイくんとハッピークリスマス!
「あいつは部活もあるから、一応補欠として入ってる」
「バスケ部忙しそうだもんね」
あたしはふと気付いた。
今、あたしたち普通に会話してる…。
峰岸くんも気付いたみたいで、テレるように耳の後ろを掻いてる。
優しい時間が流れる。
「明日のお昼休みも練習する?」
「うん。その予定…」
「じゃ明日も見学していいかな? お邪魔じゃなければ」
「うん。いいよ」
少しだけ峰岸くんの口元が微笑んだような気がした。
校門まではあっという間で
「このあと用事が入ってて…、家まで送ってあげたいんだけど…」
そう申し訳無さそうに切り出した峰岸くん。
「大丈夫だよ。まだ明るいし。気にしないで?」
「ごめん。…じゃ気をつけて」
「うん。また明日学校でね」
走っていく峰岸くん。
途中で振り返って手を振ってくれた。
もっともっと知りたい君のこと。
あたしは明日も峰岸くんに声をかけてる自分を想像していた。