トナカイくんとハッピークリスマス!

「あいつは部活もあるから、一応補欠として入ってる」


「バスケ部忙しそうだもんね」



あたしはふと気付いた。


今、あたしたち普通に会話してる…。


峰岸くんも気付いたみたいで、テレるように耳の後ろを掻いてる。


優しい時間が流れる。



「明日のお昼休みも練習する?」


「うん。その予定…」


「じゃ明日も見学していいかな? お邪魔じゃなければ」


「うん。いいよ」



少しだけ峰岸くんの口元が微笑んだような気がした。




校門まではあっという間で



「このあと用事が入ってて…、家まで送ってあげたいんだけど…」



そう申し訳無さそうに切り出した峰岸くん。



「大丈夫だよ。まだ明るいし。気にしないで?」


「ごめん。…じゃ気をつけて」


「うん。また明日学校でね」



走っていく峰岸くん。


途中で振り返って手を振ってくれた。


もっともっと知りたい君のこと。


あたしは明日も峰岸くんに声をかけてる自分を想像していた。







< 38 / 65 >

この作品をシェア

pagetop