トナカイくんとハッピークリスマス!

ジリジリと詰め寄られて、あたしは後ずさりする。



「いいじゃん、いいじゃん。硬いこと言わないでさ」


「店長さんに言ってきてよ。今日は上がります~って。俺たちと楽しいことしよ、ねっ?」



肩を掴まれる。



「や、やめてください…」



怖い…。誰か助けて…!!


看板を握り締めて目をギュッとつぶった時――



「ああ゛? なんだお前」



そんなドスの聞いた声と同時に肩を掴んでいた手が離された。


恐る恐る目を開けると



「トナカイに用はねぇよ。引っ込んでろ」


――ドンッ!!


「キャッ!!」



両手を広げて男たちの前に立ちはだかったトナカイくんが振り払われドンッと突き飛ばされたところだった。


派手にタイル敷きに打ち付けられたトナカイくんに思わず悲鳴を上げてしまう。



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