トナカイくんとハッピークリスマス!
「オレ、こいういう回りくどいの好きじゃないんだよね。でも周りの奴らがそういう噂があるからそうしろって。仕方なく?」
先輩の顔が今までと少し違う。
目に色がないというか、命が宿ってないみたい。
ジリジリと距離を縮められる。
「恋愛をするのは君のお兄さんじゃないだろ? 俺たちだろ? 許可を取る必要がどこにある?」
先輩の手があたしの肩を掴んだ。
「ちょっ…」
昨日もこんなシーンあったんですけどっ
顔が近付く。
やだ、怖い。
助けて…、お兄ちゃん。
助けて…、トナカイくん。
助けて――…、峰岸くん…!!
――ガンッ!!
――…!?
大きな音が先輩の動きを止めた。