トナカイくんとハッピークリスマス!
ほら、と見せられたそれは、
クリスマスの装飾で施された30センチ四方ほどのボードで
“クリスマス特別企画!!
12/20~12/25日限定!! セットメニューを頼んだお客様に本日のケーキを無料でお付けします!!”
と書かれたものだった。
「これと同じものがトナカイの首にも掛かってる」
「へー」
なるほどね。
今日は12月21日。もうクリスマスが目前に迫ってる。
街の様子もすでにクリスマス一色だ。
「そんなこと始めてたんだ? ふーん…。クリスマスに便乗して新規のお客を引き込もうって魂胆ね?」
「そうそう。新規のお客を引き込もうと…って違う違う!! 俺はただ純粋に皆にクリスマスを楽しんでもらおうとだな、こう試行錯誤して…、色々と、な?」
必死に身振り手振りに経緯を伝えるお兄ちゃんにふふっと笑う。
「ちゃんと知ってるよ。お兄ちゃんがこのお店を愛してることも、来店してくれるお客様を愛してることも」
「この~、からかったな~」
「あはは、ごめん、ごめん」