トナカイくんとハッピークリスマス!
「おっ、翼、今なんか隠しただろ。俺の動体視力なめんなよ。ほれ、なに隠したんだ~? 出してみろ~」
ニタニタと詰め寄ってきた渡辺くんをかわすように鞄を抱えてすり抜けた峰岸くん。
「くんな、あっち行け」
「逃げんな、待てー」
始まった鬼ごっこ。
あたしはそんな2人をお腹を抱えて笑ってしまったんだ。
『これ、昨日のお礼です』
その日のお兄ちゃんのお店の更衣室で、カーテンの中に入る前に着ぐるみをつけたままでイスに座り休んでるトナカイくんに差し出したクッキー。
着替えを終え更衣室に出てみると、いつものように手紙が置かれていた。
『美味しそうなクッキーありがとうございます。
大切に食べさせていただきます。
トナカイより』