トナカイくんとハッピークリスマス!

「なんか、用があるみたいだよ。中学の時の友達と会うんだって」



昨日峰岸くんが言ってた。


大会に向けてバスケの練習があるって。


ずっと渡辺くんと2人きりだったから色々感覚を取り戻したいって。



「へ~。よく知ってるんじゃない? 峰岸翼となんかあった?」


「えっ、なんかって?」


「最近、やたら峰岸翼の方ばかり気にして見てたから」


「あー…、うん。ちょっとね」


「何よその反応!! 白状しなさいっ」



クラスの男子4人がステージに立ち、曲に合わせてエアーバンドが始まる。


ボックスの中は大盛り上がり。


その中、あたしは美香に耳打ちしてた。


最近の峰岸くんとのこと。ちょっと気になってること。


悩み事だった場合、人に話を聞いてもらうとスッキリするって言うけれど、

ちょっと気になってる異性の場合、『その人が好きなんだ』って自覚してしまうものなのかもしれない。


だって、あたし今、美香に聞いてもらって、ものすごく峰岸くんに会いたいって思っちゃってる。


ドキドキしてる。



「それは恋ね、恋」



美香もあっさり認めちゃってるし!!






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