クリスマスの約束




ほぼ毎日のように通っていた私は、どんどん先輩と仲良くなり、同時に小山くんとの距離も縮まっていた。


「お疲れ様でしたー!」


放課後練習が終わると、いつも通り小山くんがきて送ってくれる。


「よし、帰ろっか!」


「うん!」


ドアを開け、外に出ると凄い風で髪は乱れ、肌につんとした寒さを感じる。


「寒いっ」


はぁ〜と暖かい息を手に吹きかける。


「手袋は?」


その行動を見ていた小山くんに聞かれる。


「あっ、忘れちゃって…」


そう言うと、小山くんが自分の手から手袋を外し、はいと私に渡す。


「え?悪いよ…!私はいいから、小山くんが寒いじゃん!」


「寒そうにしてる子みてるほうがもっと寒くなるから良いよ」


「…あ!じゃあ片手だけ借りる!」


「片手?」


私は手袋の片手分を返す。


「じゃあ、こっちはこうしよう!」


そう言って小山くんが私の手を握る。


…!!

手を…繋ぐなんて…小さい時以来だし、それに男の子と繋ぐなんて…側から見ればカップルに見えるんじゃないかな?

なんて…

小山くんのことだ。

こういうことに抵抗が無いように見える。


「…やっぱ恥ずかしいから、やめる?」


「へ?あっ…その…今更離しちゃったら余計寒いじゃん!だっだからこのままで…」


って何言ってるの私!

なんだか凄く恥ずかしいことを言っている気が…


気まずい雰囲気が流れるまま、私の家まで帰ってきた。
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