切れない鎖
「また会おうね」
そんな少女き、優輝は優しく言った。
ぽろりと、少女の目から涙が伝う。
少女は立ち上がり、優輝から5m程離れたところに立った。
カシャリ
カシャリ
カシャリ
それを聞くと、優輝の胸が痛んだ。
それと同時に、初めて会ったときのことを思い出した。
「なんだか、初めて会ったときみたいだね」
優輝が笑って言うと、少女も笑った。
それを見ても、優輝の胸は痛む。
一歩ずつ、少女に近付く。
少女の目の前まで来た。
「僕がさ、」
「え?」
聞き取れないほど小さな声で喋る優輝に、少女が問い返した。
「僕がその鎖を断ち切ることは出来ないの?」
小さな少女の、小さな両肩に手を置く。