切れない鎖
「優輝ぃぃぃ!」
「一条くぅぅぅん!」
「一条ぉぉぉ!」
教室に戻ると、沢山の人が泣きながら抱きついてきた。
「わっとっと」
優輝は転びそうになるのをなんとか踏みとどまった。
「お前どこに行ってたんだよぉ!」
「お前とさよならなのに、お前いなくちゃ意味ねぇだろぉ!」
「最終日に迷子かと思ったわ!」
いろんな人が口々に何か言うのでうまく聞き取れない。
「ご、ごめんて。ちょっと、大切な人に別れを言いに行っていたんだ」
「大切な人?」
皆の目が点となる。
そして次の瞬間
「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ~!」」」
皆が一斉に叫んだ。
「彼女か!?彼女なのか!?」
「本当に!?」
「本当なの!?一条君!」
これまた賑やかになる。