切れない鎖
「39対61ですか。やっぱり、適いませんね」
優輝も笑った。
「またいつか、来ておくれよ?」
「はい。またいつか」
最後に礼をして、優輝は食堂を後にした。
皆のいる校庭に走る。
「優輝!」
皆の声が聞こえる。
「遅いぞ!」
「サンドイッチなくなっちゃうわよ!」
「一条君の分取っておいてあげたよ~!」
優輝は走りながら思った。
この時を、永遠に忘れない。
一生覚えていよう。
皆の元にたどり着くと、優輝は叫んだ。
「皆!本当にありがとう!」
皆は驚いたような顔をしたが、次の瞬間笑顔になった。
泣き出す子もいた。
「優輝ぃぃぃ!」
皆が優輝の周りに集まる。
「手紙送るからな~!」
「またいつか、絶対会おうぜ!」
「うん。またいつか」
何度言っただろう。
「またいつか」
優輝はまた叫んだ。
「絶対会おうね!」
ミラルも笑顔でそれを眺めていた。