切れない鎖
「じゃあ、これでさよならだね」
あれから数刻、優輝は港にいた。
目の前には、シャルンとアナ、ミラルと校長がいた。
「一条君、留学生活は有意義に過ごせただろうか」
「はい、校長先生。とても素晴らしい毎日でした」
「うんうん。宜しい宜しい」
校長に顎を撫でながらニコニコする。
「優輝。またな」
「またね」
シャルンは、泣いているアナに寄り添っている。
「手紙とか、いっぱい送るから」
優輝も涙をこらえて言った。
ぼーーーーーー
その時、船が出る合図が鳴った。
「じゃあ、またいつか」
優輝は皆に背を向けた。
その時、
「優輝!」
シャルンに腕を掴まれ、また振り返る。