切れない鎖
違い
ぼーーーーーーーーー
という音がして、船が港につく。
優輝は船から荷物を持って降りた。
「えぇと、皆はどこだ?」
優輝は目を凝らして家族の姿を探す。
すると、すぐに分かった。
「優輝さぁぁぁぁぁん!」
姉の咲が、必死に手を振っている。
それを母がな窘めている。
優輝はそこに向かって歩き出した。
父に兄、母に姉。
懐かしい光景だ。
「只今戻りました」
優輝は深く礼をした。
「お帰りなさい!優輝さん!」
咲が抱きついてくる。
「ただいま。咲」
優輝は姉を苦笑いして見下ろした。
「優輝さん、また身長伸びましたの?」
咲が、優輝と頭を揃えようとぴょんぴょんする。
「咲、お止めなさい。とにかく家に帰りましょう」
母の言葉に咲は「はぁい」、と、返事をした。