切れない鎖
「懐かしいなぁ」
家は、全く変わっていなかった。
「荷物をおいたら私の部屋に来なさい」
「分かりました」
父の言葉に返事をする。
部屋に行くと、優輝の部屋は何も変わっていなかった。
「勝手に触ってはいけないと思って、片付けとかはしていないのですが、優輝さんはもともと綺麗好きだから、心配はありませんね」
母が優輝の部屋までやってきた。
「お父様の部屋へ参りましょう?」
荷物を置いた優輝を見て、母が言った。
「はい」
優輝は母と一緒に部屋を出て父の部屋に向かった。
「失礼します」
父の部屋にはいると、咲と卓志もいた。
「そこに座れ」
父は、正面の座布団を指差す。
母は父の隣の座布団に腰を下ろした。