切れない鎖
それから二日後。
「どうしても行くのですかぁ~、優輝さ~ん」
ユルサル行きの船に乗ろうとする優輝にしがみつくのはまた咲だった。
「今度の滞在は二日だけなんだから」
優輝は咲の頭を撫でながら、困ったように言っう。
「いくらあの女の子の為とはいえ、2日間の滞在のために1ヶ月近くもかけて行くだなんて……」
「ほら咲、船が行ってしまう前に、優輝を送り出してやりなさい」
卓志が優しく言うと、咲はしぶしぶ優輝を話した。
「すぐ帰ってきてくださいね」
「もちろん。まぁ、2ヶ月近くは会えないけど」
優輝は短く挨拶をすませると船に急いだ。
(また会える。あの女の子に!)
そう思うと、期待で胸がいっぱいになった。