切れない鎖

そして一月近くもかかり、ユルサルに着いた。 
「懐かし~!」

優輝は喜びの声を上げながら、変わらない港町を見回した。

たった半年前の事なのに、とても懐かしく感じる。

「ここからは馬車を使うんだったね」 

初めて来た日、歩いて学園まで行ったのを思い出した。

「歩いて来たってシャルンに言ったら笑われたっけ。普通は馬車を使うんだって」

優輝は、

ピュ~

と指笛で馬車を呼んだ。

するとすぐに優輝の目の前で馬車が止まった。

その馬車に優輝は乗り込む。

「お客様、どちらまで?」 

という行車の問いに、

「ルマーズ学園まで!」

と、元気に応えた。
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