切れない鎖
回想
五歳程の少年、シャルン・ディスクは、少女と別れた後、家に帰った。
「ただいま~!」
シャルンは元気よく家に入る。
すると、
「シャルン、お帰りなさい」
と、母が優しく迎えてくれた。
「おう、シャルン。お帰り」
父親も笑顔を向ける。
「こんなに沢山摘んでくれたのね。ご飯は何にもしましょうかね~?」
母は笑顔で台所に戻っていった。
「シャルン、腕相撲しよう。父ちゃんに勝てるかぁ?」
父親は笑いながら机にひじを突いた。
「僕だって強くなったもん!勝てるもん!」
シャルンも机にひじを突く。
勝負が始まると、
「おぉ!シャルン、強くなったなぁ~」
そう言いながら、余裕の表情をみせる父親。
「ふんぬぅ~!」
シャルンが顔を真っ赤にしても父親には適わない。
父親は、わざと負けず勝たず、シャルンの力を試しているのだ。