切れない鎖
優輝はもやもやした気持ちを抑え、シャルンに聞いた。
「国王は、どうしてシャルンにこの子に会いに行けという命令をしたんだい?」
「それは……」
シャルンは黙ってしまう。
「理由が、あるんだよね?」
深刻そうな表情をしてシャルンが頷く。
(一体どうしたんだろう?)
優輝は首を傾げた。
「夫婦になるのだよ」
「え?」
少女が突然言った。
「アナと?でもまだ十五才だよ?早すぎるんじゃ……」
「私とだ」
優輝の言葉を遮り、少女は言った。
「え……?」
「私とシャルン・ディスクは夫婦になるのだ」
少女はもう一度、呟くように言った。
「は、はは。まさか、そんな事あるはずないよ。だって、アナという大切な人がシャルンにはいるんだよ?」