切れない鎖
「好きなのは君だけだって。たとえ婚約者がいようとも、君が他の男を好きなったとしても、って。私、すごい嬉しかった!」
そこでシャルンはやっと顔をあげた。
「そうだよ。たとえ婚約者がいようとも、僕が結婚しようとも、君を愛してる」
「なら私と……!」
アナはそこでやっと気が付いた。
「婚約者がいてもって、結婚しようともって……」
「あぁ。結婚したとしても、愛してるのは君だけだよ」
「あぁぁぁ、あぁぁぁぁぁぁあ!!」
アナはその場にうずくまった。
「酷い!こんなの、酷すぎるわ!」
アナは泣き叫ぶ。
「違う人と結婚するのに、愛してる私じゃない人と結婚するのに、私を愛してるって言うの?!」