切れない鎖

そして優輝はある決心をした。

紙とペンを取り出し、文字を書く。

カリカリ

カリカリ

「優輝?お前、何をするんだ?」

シャルンが問う。

「未来が見えないって事は、俺の未来に関わることをするつもりなのか?」

優輝は何も答えずひたすらに文字を書き続ける。

そして服のポケットから封筒を取り出した。

封筒の中にその紙を入れる。

立ち上がり、それをシャルンに押し付けた。

「シャルンこのままあなアナと下に降りて、港に行くんだ。港に付いたら中の手紙を読んで」

「優輝、お前何をするつもりなんだ?」

シャルンの表情が不安そうに揺れる。

その時、

ガタン

と、エレベーターが上がってくる音がした。
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