切れない鎖
「払われた金であの男、私の父の家来になったのではないかね?理由は分からんがな。まぁ、大方売った息子の身を案じていたのだろう」
シャカルは黙る。
「今回の私との結婚のことは元から知っていた。違うかね?結婚すれば国王の元で暮らすことになるだろうからいつでも顔を見れる。それはそれは嬉しいことだろうね。そして、名字が同じだ」
「お嬢ちゃんの言うとおりさ」
シャカルが口を開いた。
「シャルンを手放したとき、嫁の腹には子供がいた。子育てに時間を費やさなくちゃなんねぇし、食べる量も増える。なら、一人、いなくなった方がいいと思ったんだ。あの時は」
シャカルは声を震わせる。
「けど違った。あいつはやっぱり俺の息子なんだよ。あいつがいないと、冗談も言い合えねぇし、一緒に遊ぶこともない。毎日、面白くなくなってったんだ」