切れない鎖
シャカルは必死に訴える。
「金があっても息子はいない。そんなの、意味なかったんだな」
そのまま頭垂れた。
「シャルン・ディスクなら恋人がいた。私は人の恋路を邪魔したいとは思わない」
そんなシャカルにユルサルは話しだした。
「国王がそれを許すはずもないが、シャルン・ディスクのいない今、国王もただの人と変わらないだろう。」
そしてユルサルは目を瞑る。
「私も人間だ。普通の女の子だ。一条がそう言ってくれた」
そして目を開き優輝、見る。
「わたしも結婚するなら、自分が好きになった人と結婚したい。決められた人ではなく」
そしてシャカルに目を戻す。
「だからシャカル・ディスク。貴方は家に帰って家族との時間を大切にしたまえ。次こそは間違えないように」
シャカルは額に手を突き動こうとしない。
「シャルン・ディスクは間違った考えによって生まれてしまった子供だ。新しい子供とも、共用する時間が短すぎて間違った考えを持ってしまったらどうする」