切れない鎖
「俺は、俺は……」
「唸っている時間があるのならとっとと家に帰ってへらへら笑っていろ。シャルン・ディスクならきっと幸せに生きていくから……!」
シャカルはパッと目を開いた。
そして震える声を出した。
「息子は、シャルンは、幸せに生きていけるか?」
「勿論だとも」
ユルサルも深く頷いた。
「なら、俺は、それでいい」
「貴方がシャルン・ディスクを追いかけるなどと馬鹿げた考えを持たないでくれて良かったよ」
薄く笑ったシャカルにユルサルが毒を吐く。
「最後に、父親らしい事がしたいんだ。シャルンが幸せになるように」
「ふむ」
「だから俺はあいつを追いかけないで、あいつの幸せを願う」
そう言うとシャカルは立ち上がった。