切れない鎖
そして元の取り澄ましたような顔つきになる。
「では、私はこれにて失礼致します」
そして一礼すると、背筋を伸ばして降りていった。
ガタン
それきり部屋には沈黙が続いた。
「……君は、どうするのだね?」
ふいにユルサルが口を開いた。
「え?」
「君はこれからどうするのかと聞いているのだよ」
ユルサルがじっと優輝を見つめる。
「どうするって、君を助ける」
優輝がはっきりと答えると、ユルサルは馬鹿にしたように笑った。
「ふん。どうやって助けるというのだね?私は切れない鎖に足を捕まれている。助けるなどと、無理に決まっている」
「助けるよ」
ユルサルが優輝から目を逸らした。
「助ける」
優輝は繰り返した。