切れない鎖
新しい生活
「寒くない?大丈夫?」
優輝はユルサルの顔を覗き込んだ。
「あぁ。大丈夫だ」
ユルサルは答える。
「もう少しで着くから我慢しててね」
優輝はそう言って自分の分の毛布をユルサルの肩にかける。
「君が寒いではないか」
「いいんだよ。僕だって男だからね。これぐらいの寒さは大したことないよ」
優輝は胸を張ってみせた。
ユルサルはくすりと笑い、
「そうか」
と、毛布に顔をうずめた。
「シャルン達、無事だといいんだけどなぁ」
ふと優輝は呟く。
「無事では済まなそうな所に送り込んだのか?」
優輝は慌てて首を振る。
「違うよ!僕はシャルン達をそんな目に合わせたりしないよ。シャルン達を送ったのはちゃんと安全な所」
優輝は瞳を輝かせた。
「僕達が行くの僕はの故郷、日本だ!」