切れない鎖
ガシャャャャン
と音を立て切れた鎖。
「輪っかは今は切れないけど、今度ね」
「あぁ」
すこしぼーっとしているユルサルに声をかける。
「こんなにも……」
「え?」
ユルサルの声が小さいので聞き返した。
「こんなにも容易く切れるものだったのだな」
「君、ちょっと放心してない?」
するとユルサルはむっとした表情になった。
「別にそんなことはない」
「そう?ならいいんだけど」
優輝は斧を床に置いた。
「君を国王、君のお父さんから助けるためには遠いところへ行く必要があるかな」
優輝は一人呟く。
「お金はいっぱい持ってきたからシャルン達にあげたの以外にもいっぱいあるし、行くべきところは一つだな」
優輝は行き先を決めた。
「そうと決まったらすぐ行こう!」