切れない鎖

夜、ユルサルは元々のベッドに寝て、優輝はソファーを借りて横になった。

優輝は旅の疲れもあってか、すぐに規則正しい寝息をたてはじめた。

しかしユルサルの瞳が閉じるのは、大分後の事だった。

そして朝。

「ユルサル、行こう!」

優輝が元気よく声をあげる。

「あぁ」

ユルサルが目をこすりながら答える。

「あれ?君元気ないねぇ。もしかして寝不足かい。今日が楽しみすぎて眠れなかったんだろう」

優輝がそう言うとユルサルはむっとした表情をした。

「君、私はそんなガキみたいな心はしていないのだよ。昨夜はその、いろいろ考える事があってだな……」

ユルサルがぶつぶつと答える。

「ふぅん」

階段を降りながら優輝は不思議そうな顔をした。
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