切れない鎖
「私、話は全部シャルンから聞いたの。それでも私、彼と生きていたい」
アナは必死な顔で言う。
アナの必死さは、優輝にも、痛いほど伝わった。
(アナは、本当にシャルンが好きなんだ。そしてシャルンも)
アナの隣に立つシャルンからも、アナを愛してやまない思いが感じ取れた。
そんな二人に、優輝はにっこりと笑った。
「この家にいていいよ。この家で、一緒にいていいよ」
「え?本当に?本当にいいの?」
アナが驚いた顔をする。
シャルンも同様だった。
「さっき、家族が認めてくれた。日本語を覚えたりしなくちゃいけないけど、ここで暮らすんだ。僕達はこれから家族だよ。新しい生活の始まりだ!」