切れない鎖
モノローグ
船。
日本。
一条の家。
新しいもの、初めてのことが沢山。
何もかもに、目を奪われる。
ずっと、ずっと、初めての物で溢れているここにいたい。
しかし、私がここにいることで、一条に迷惑がなかからないだろうか。
一条の家族に、シャルン・ディスク、アナ・ヴィークル。
皆皆、私のせいで不幸になったりしないだろうか。
私はとても不安なのだ。
私が誰かを地獄につきおとすのではないかと。
しかし、君が笑顔を向けてくれる度に、そんな気持ちは砕け散る。
まるで、私の足に付いていた鎖のように。
でも、残るのだ。
輪っかが、残るのだ。
私の気持ちにも、残っているのか。
ずっと心にまとわりついて離れない、何かが。