切れない鎖
「私は日本語の発音は知らないが、読むことと書くことならできる」
「そっか、前に竹取物語読んでたもんね」
優輝が頷きながらそう言うと、ユルサルはこくりと頷いた。
「じゃあ君は、紙とペンを常備しててね。後であげるから」
するとまたユルサルはこくりと頷いた。
「ユルサルさん、日本語の読み書きができるの?」
驚いたようにアナが口を挟む。
「すげぇな」
シャルンも感心した。
しかし、家族はにこにことそのやりとりを見ているだけだったので、
「ユルサルは、日本語の読み書きなら出きるんだ」
と言うと、アナとシャルン同様、驚き、感心していた。
「ユルサルさん、すごいのね」
咲も笑顔でユルサルに話しかける。