切れない鎖
するとユルサルは、ちょこっとだけ優輝の方に近づいた。
「どうしたんだい?」
そう聞くものの、再びご飯を食べ始めてしまった。
その時、優輝は二回目にユルサルに会った時のことを思い出した。
『あのだな、君。私は初めて会った男とビーチクパーチク話して仲良し子良し出来るほど人慣れしていない』
(そういえばあんな事があったなぁ一年近く前のことかぁ)
優輝はユルサルの耳に唇を寄せると、
「君、人慣れしていないんだったね」
と言った。
ユルサルは、
「は、早いうちに慣れるようにする」
と、顔を赤くしながら言うと、再びご飯を食べ始めた。
優輝はそんなユルサルを優しく見つめた。