切れない鎖

「そ、そんなに笑うなら僕はもう部屋に戻りますね」

優輝はぷりぷりしながら部屋に戻った。

「お帰り優輝」

部屋ではシャルン達が迎え入れる。

「うん」

優輝は笑顔で頷き返す。

「今から、明日からどうするかを決めたいんだけど、いいかな?」

優輝が言うと、三人は優輝の周りに集まった。

「シャルン、僕が渡した手紙は持ってる?」

優輝がそう聞くと、シャルンは懐から手紙を取り出す。

優輝はそれを畳の上に置いた。

手紙の内容は、シャルンに読めるようフランス語で

「日本行きの船に乗れ。日本人に見せろ」

と書いてあり、日本語で優輝の家の住所が書いてあった。

「ちゃんとここに来れて良かったよ」

優輝はまた言った。
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