切れない鎖
「優輝く~ん、君は、女の子をおんぶして家に帰ってきたらしいねぇ。それも絶世の美女!」
「えぇ?!どうして知ってるの?!っていうか、あの子は美女っていうよりも、可愛いと思うんだけど」
優輝が言うと、
「噂に尾ひれは付き物だ」
と、稜が冷静に言った。
「近所の人が見てたらしいんだよ」
俊の言葉に、優輝は頷いた。
「結構目立つもんね」
「そ・れ・で?優輝、女の子はどこにいるんだ?」
俊がふざけた口調で聞いてくる。
「まだ寝てるよ」
「えぇ?!何で知ってるんだ?!一つ屋根の下で一つの部屋に。優輝、お前結構やるなぁ」
俊が大袈裟に驚いてみせる。
「他にも人がいるんだよ。男の子と女の子が一人ずつ」
「何でまたそんなに?」