切れない鎖
今度は稜も俊も、心底驚いた顔をする。
「いろいろあったんだよ」
「いろいろってなんだよぉ~」
優輝が言うと、俊が聞きたそうな顔をする。
「いろいろ」
「いろいろかぁ」
俊がじっと見てくる。
見てくる。
じっと見てくる。
「分かったよ。話せばいいんだろう?」
優輝は観念しましたというように両手を挙げた。
「優輝がいい子で良かったよ」
俊は嬉しそうに笑った。
優輝は二人を家に入らせ、居間で全てのことを話した。
「そりぁ~、まぁ~、激しい旅行だった事で」
俊の第一声はこれだった。
顔に驚きを隠せない笑みをたたえている。
「お前も面倒なことに巻き込まれるよな」
稜は呆れたような顔をしている。