切れない鎖
疑惑
シャルン、アナ、ユルサルが一条家に来て、しばらくが経った。
優輝は高校生活にも慣れ、シャルン達も、日本の暮らしに慣れてきたようだ。
ある日の朝、優輝は欠伸をしながら眠りから覚めた。
「ふあぁぁぁ~」
伸びをして、布団から出る。
すると、シャルンも目を擦りながら起きた。
「優輝?」
寝ぼけた様子で聞いてくる。
「そうだよ。おはよう、シャルン」
「おはよう」
シャルンも挨拶を返す。
「僕は学校があるから、もう起きるけど、シャルンはどうする?」
優輝が尋ねると、
「起きる」
と、シャルンも布団から這い出た。
「二人も起こした方がいいかなぁ」
優輝は隔てのある向こうを見た。