切れない鎖
「そうだな。一緒にご飯を食べる」
シャルンもそう言うので、優輝は隔て越しに二人に声をかけた。
「アナ、ユルサル。ご飯を食べにいこう」
すると、ごそごそと音がした。
「ん……。優輝?」
この声はアナだ。
「アナ。ユルサルも連れて、居間に来てね」
優輝が言うと、
「分かったわ」
と言って、アナがユルサルを起こす声が聞こえた。
「僕達はもう行こう」
優輝の言葉に、シャルンが頷いた。
「おはようごさいます」
居間に着くと、母と咲が朝食の準備をしていた。
「おはようごさいます、優輝さん、シャルンさん」
咲が二人に笑いかける。
「オハヨウゴザイマス」
だんだんと慣れてきた日本語でシャルンも挨拶をする。