切れない鎖
「よくない!僕が君を助けると決めたんだから!」
そう言って、優輝はユルサルを背にし、両腕を広げ、校長から守るように立った。
「この子には、指一本触れさせない!」
そして優輝は校長を睨み付けた。
しかし校長は馬鹿にしたように鼻で笑う。
「小僧に何ができる。ちっぽけな少年よ」
「この子をあんたから守る!」
優輝が叫ぶと、校長が急に真面目な顔になった。
「君の意志はよく分かったよ、一条君」
「……え?」
この場の状況がよく飲み込めない。
なせ態度が急に変わったのか。
「一度だけ、ユルサルと話をさせてくれ」
「そんな事出来るわけがないでしょう!貴方はさっきこの子を道具だと言った。そんな人にこの子と話をさせられるわけがない!」